シューケット
日本のパン屋さんでもたまに見かけたことがあったけど、試したことがなかったもの、それは、シューケット。フランスに来て初めて食べてみました。
シューケットとは小さなシュークリームのような感じだけど、クリームは入っていません。と言うとネガティヴな感じがするけれど、シュー皮の表面にパールシュガーと言われるあられのような砂糖がついています。(場合によってはクリームが入っていることもあるそうですが…)
私は、おそらくフランスに旅行にきたら必ず目にするであろうMonoprixというスーパーの中にあるパン屋さんでこれを購入しました。一個0.3ユーロだったかな。
中が空洞なわけだし、スカスカ、ぱふぱふしているだけでしょ、と思いつつ食べてみました。しかし、カスタードのような味わいのあるシュー皮のしっとり感と、カリッとしたパールシュガーの食感があいまって美味しかったです。
ずいぶん前に読んだ「至福の味」(著:ミュリエル・バルベリ)という短い小説の中で印象的に描かれていたシューケット。
わたしは高名な料理評論家として美食の限りをつくしてきた。いま死の床で、生涯最高の味を選び出そうと薄れゆく記憶の中をさまよっている。それがわたしの最後の晩餐だ。思えば、どの食べ物にも懐かしい誰かとの思い出がつまっている。 ... Google Books
そして主人公は、結局はあの、庶民的な、子供の頃によく手をベタベタにさせながら食べたシューケットこそがわたしの求めていたものだ!と気づくわけです。(ネタバレすみません…)
ともかく、この本を読んでから、ずっと気になっていたお菓子でした。値段も手頃なので、他のパン屋さんでも試してみたいです。
手のひらに収まるかわいいサイズ。