モンペリエから小さな町へ
先日、モンペリエから電車に揺られること30分、友達の住むAgdeという小さな町を訪ねました。
30分というと大した移動でもないのですが、モンペリエを少し出ただけで、はっきり言って不安を覚えるくらい何もない、というかあるのは一面に広がる畑。なるほど農業大国であることがうかがえます。時折現れる小さな町は、統一感のある屋根によって、とても可愛らしく素敵です。
まずアグドに到着しました。この町のすぐ近くにはL'Héraut という河が流れており、この流れにそって進んでいくと海に出ることができます。人口約2万人の町ですが、夏のヴァカンスの時期はとても賑やかだそうです。
この狭い隙間は、友達いわくヨーロッパいち小さな道だそうです。本当かなあ?笑 でも、ちゃんと通れました!
町の中心では蚤の市があり、本、レコード、カバン、昔のコイン、用途不明の台所用品など実に様々なものが売られていました。その中で目に留まったのがモネの作品全集。とても大きくて重くて迷いましたが、モネの美しい絵画と、そして5ユーロという値段に惹かれて買ってしまいました。モネの生涯を綴ったページも多く、フランス語の勉強にもなりそうです。
(後でネットで調べたら元値は45ユーロでした)
それから車で移動すること20分くらい、次なる小さな町、Cap D'Agde というところに出かけました。ここは非常に観光客向けの町で、夏が終わるとほとんど人がいなくなるそうです。
たくさんのレストランとお土産やさんとが、港近くで軒を連ねていました。
お昼は港にあった、地元の友達オススメのレストラン。今回のフランス滞在ではじめて外でちゃんとしたものを食べたような気がします。
前菜:海の幸の盛り合わせ
主菜:鯛のソテー、紫米を添えて
全部で17.5ユーロでした。
フランスって家でも外でもどんな時も隣にはバゲットがあるような気がします。米があろうが、じゃがいもがあろうが、コーンフレークがあろうが。(もちろん例外はあり)
友達が地元の子に連絡をして、さらにMèzeという町にも足をのばしました。
この海を臨むカフェでのんびりと過ごしました。
それからMarseillanという町にもいきました。とても穏やかで静かな港。
Agdeに戻り、見晴らしの良い小さな山に登りました。海と町を見渡すことができました。
夕暮れ時19:30過ぎに訪れたのはGrau-D'Agde というところ。人の少ない海辺が、なんだか夏の終わりを感じさせます。
最後に夜のAgde。昼間とは異なる、光と水の共演が美しい。
水辺の小さな町々を1日でたくさん見ることができ、一日中運転してくれた友達に本当に感謝です。なかなか地元の友達がいなければ、行く機会もないだろうし。
見逃してしまいそうなところにも、たくさんの美しい景色がひそんでいることが分かりました。
せっかくのヨーロッパ滞在、これからもいろいろなものを目にしていきたいです。
オルガンコンサート聴いてみた。
この間、街の散策がてら、モンペリエ大聖堂(Cathédrale Saint-Pierre de Montpellier) に行きました。
それはそれは立派な造りで、中に入ってみるとハリのある静かな空気が聖堂全体を包んでいました。その際、置いてあったチラシを目にし、毎週土曜日にオルガンのコンサートが行われていることが分かりました。
そのため、8月20日(土)、コンサートを聴くため、もう一度この大聖堂を訪れました。
フランス、ニュージーランド、スイス、ドイツ、ロシア等、様々な国のオルガン奏者が毎週演奏するそうです。L'Association des Amis de L'Orgue de la Cathédrale de Montpellier (モンペリエ大聖堂のオルガン友の会といったところでしょうか…)というところが中心になって開く演奏会らしく、コンサート自体は無料です。
文化がすぐ隣にあり、高いお金を払わずとも多くの人がそれに親しむことができる、こういうところがフランスは素晴らしいなと思います。
たまたま隣にすわったマダムはほぼ毎週来ているらしく、いつもこれを楽しみにしているそうです。私が音楽を勉強していることを話したら2ユーロするプログラムを譲ってくれました。(それくらい自分で買うべきだとも言えなくはないですが…笑)
今回は、Fedor Stroganov という ロシア人オルガニストの回でした。曲は、バッハや演奏者自身の作曲かつ即興、そしてLouis Vierne という比較的近代の作曲家など、バリエーション豊かでした。
一曲弾き終わって演奏者が手を離したその瞬間、聖堂全体と私の耳を満たす、厳かな残響がとても気に入りました。
オルガンは本来、演奏者は高いところで演奏していて、その姿は見えないのですが、ここではスクリーンに映し出されていました。伝統と現代の融合が面白かったです。
17時45分から始まり、1時間強、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
外に出てみると、19時過ぎてもまだまだ辺りが暗くなる気配はありません。夏の夜は長い。
ご飯を炊いてみた
Monoprixというスーパーにて、自社ブランドのお米を買いました。RIZ ROND (丸い米)という種類で、500グラムで1.21ユーロでした。
そして今日、住んでいるお家の道具を漁ってご飯を炊いてみました!
まず、お米150グラムを計ってお米を研ぐ。
次に、鍋にお米と200㏄の水を入れる。
30分吸水させる。
鍋を強火にかけて、沸騰したら弱火にして10分加熱。
10分たったら火を止め、さらに10分蒸らす。
おしまい。
けっこう思ったより簡単でした!それともビギナーズラックかな、、笑
お家にあった(傷だらけの)カフェオレボウルによそいました、、。
味は、結構美味しかったです!もう少し吸水したらより良いかも知れないです。若干固めの炊き具合でしたが、十分満足です^^
私は水道水(飲める水)でやってみたけれど、市販の軟水のミネラルウォーターだとより良いと聞いたことがあるので今度試してみようかと思います。
愛するふりかけ、「味道楽」(丸美屋)をかけて。ほっとする味、一気に心が安らぎました。こんなことなら、ふりかけ大袋をあと3パックは持ってくるべきだったなぁと後悔。
残ったごはんはラップに包んで冷蔵庫に。そして、お家には電子レンジがないことが判明。冷やご飯温められない、、とのことで夜ご飯は炒飯にしました。
このお米だと、なかなかパラパラな炒飯になります。(一歩間違えればパサパサ)
LES NUITS PIANISTIQUES
私は今、エクサンプロヴァンス(以下エクス)の音楽院で開催されている、LES NUITS PIANISTIQUES という講習会に参加しています。
エクスの街のレトロな趣とは対照的に、音楽院には比較的コンテンポラリーな雰囲気が漂っています。
そして、音楽院は、Avenue Mozart 、モーツァルト通りというところに位置しています。
この講習会は、かなりこじんまりとしている印象です。ほとんどがフランス人、中国人が2,3人、そして日本人の参加者は私1人です。講習会自体は2期あって、私はそのうちの2期目、1週間参加します。
ホームページには、「1週間のうち4,5回はレッスンあります。」と書いてあったのですが、私のついたピアノの先生(おそらくこれからフランスで習うであろう先生)は、1週間でなんと6回(!)もレッスンをして下さるそうです。ほぼ毎日です。笑 実際は45分のレッスンですがいつも結局1時間くらいになってしまいます。
初日に、レッスンのタイムテーブルを決める際、のろのろしていたら他の生徒に良い時間を先に決めてしまっていて、私は毎日朝9時からレッスンになりました。笑
まぁ、エクスの爽やかな朝を肌で感じながら散歩するきっかけができて良かった、ということにしたいと思います。
そんなこんなで、レッスンが始まったわけですが、結構この音楽院は設備がなかなか充実している気がします。
まず一つは、レッスン室にはグランドピアノ2台(スタンウェイとヤマハ)があり、いつもスタンウェイの方で弾かせてくれます。
それから練習室は、受付で名前を言うと2時間分部屋を取ってくれます。2時間が終わって、もう一度受付に行けば、また2時間分とってくれます。受講生が少ないこともあって、いつでも練習したいだけできる感じです。しかも、受付の女の子が日本好きらしく、すぐに私の名前を覚えてくれて、(基本はアップライトピアノなのですが)グランドピアノの部屋が空いてたらそこを勧めてくれたり、とかなり親切です。
しかも今日に至っては貸してくれた練習室、スタンウェイのグランドピアノでした!気前が良いなぁ。
月〜金曜日まで、毎日音楽院に併設されたホールでコンサートもあります。受講生は、無料で招待されます。
街はヴァカンス一色で、1人で歩いているとなんだか少し寂しい気持ちにもなりましたが、いま文章で書いていたらとても素敵な環境であることを認識できました。恵まれているなぁと実感。
シューケット
日本のパン屋さんでもたまに見かけたことがあったけど、試したことがなかったもの、それは、シューケット。フランスに来て初めて食べてみました。
シューケットとは小さなシュークリームのような感じだけど、クリームは入っていません。と言うとネガティヴな感じがするけれど、シュー皮の表面にパールシュガーと言われるあられのような砂糖がついています。(場合によってはクリームが入っていることもあるそうですが…)
私は、おそらくフランスに旅行にきたら必ず目にするであろうMonoprixというスーパーの中にあるパン屋さんでこれを購入しました。一個0.3ユーロだったかな。
中が空洞なわけだし、スカスカ、ぱふぱふしているだけでしょ、と思いつつ食べてみました。しかし、カスタードのような味わいのあるシュー皮のしっとり感と、カリッとしたパールシュガーの食感があいまって美味しかったです。
ずいぶん前に読んだ「至福の味」(著:ミュリエル・バルベリ)という短い小説の中で印象的に描かれていたシューケット。
わたしは高名な料理評論家として美食の限りをつくしてきた。いま死の床で、生涯最高の味を選び出そうと薄れゆく記憶の中をさまよっている。それがわたしの最後の晩餐だ。思えば、どの食べ物にも懐かしい誰かとの思い出がつまっている。 ... Google Books
そして主人公は、結局はあの、庶民的な、子供の頃によく手をベタベタにさせながら食べたシューケットこそがわたしの求めていたものだ!と気づくわけです。(ネタバレすみません…)
ともかく、この本を読んでから、ずっと気になっていたお菓子でした。値段も手頃なので、他のパン屋さんでも試してみたいです。
手のひらに収まるかわいいサイズ。
ハプニング
エクサンプロヴァンスについたその日、キャリーケースは重いものの足取りは軽く、事前に予約した寮まで、ほぼ迷わず向かうことができました。
と、ここまでは良かったのですが、寮の前の重厚なドアには何やらコードを押すボタンが。「コードを入力するか、名前を入れてください」と書いてあったが、予約したときにコードなんて聞いてないし、名前を入れてもエラーになってしまいました。
近くに寮の電話番号が書いてあったので、かけるも繋がらず。別に書いてあった緊急連絡先も然り。予約を仲介してくれたひとにも電話をかけたが繋がらず。もちろんノックをしても虚しく音が響くだけ。途方に暮れました。寮の中を覗いてみると、真っ暗。え、これ誰もいないの。どういうことだ。。
仕方がないので、近くのホテルの人にダメもとで尋ねるも、有力な情報は得られず、すでに19時過ぎで疲れていたので、そのホテルの一番安い部屋に一泊することにしました。
いままで順調すぎるくらいだったから、何かある予感がしたけど、まさに的中してしまいました。
そして翌日、講習会先のコンセルヴァトアールに着き、前日のことを話すと、「あらら!鍵が無ければ入れないよ〜」と、鍵を渡されました。事前に何も知らされてなかったし、学校と寮は提携している訳ではないのに、まさか学校に寮の鍵を取りに行くなんて思いもしませんでした。学校と寮は20分の距離にあるのです…。
そして、なんとか入寮。部屋は普段学生3人でシェアしている部屋らしく、ロフトもついててとにかくだだっ広い。冷蔵庫を発見し、良かった!と思って開けてみると中には食材が。。
食べかけのチーズ、ひとパックのヨーグルト、9割方食べ尽くしたジャム、紙袋に入った果物と幾つかの水のペットボトル。けっこうゾッとしました。笑
そういえば、と鍵と一緒に渡されたメモを見てみると、「普段ここに住んでいる学生があなたのために食材を取っておいてくれました!」と書いてありました。いやいや、残り物だし、いつのかわからないし、まずもってどんな人のものかわからないものは怖すぎます。
と、サプライズプレゼントに恐れおののきつつ、寮での最初の晩はふけていったのでした。
エクサンプロヴァンスの小道。
途方に暮れながら撮ったけれど、それでもなお美しい。
OUIBUS使ってみた
昨日、モンペリエから、講習会先のエクサンプロヴァンスに移動しました。
モンペリエとエクサンプロヴァンスって、電車で行こうとすると、確か安くて37ユーロとかかかるんです。そこで今回、OUIBUSというバスを利用してみました。
これは、かなり新しい会社らしく、フランス人の先生曰くすごくよかった!とのことで、事前に日本にてオンラインで席の予約をしました。クレジットで、簡単にできました。予約完了ページは印刷せずに、その画面を見せれば良いとのこと。
結論から言うと、とても快適でした!座席はゆったりしていて、足が伸ばせるし、クーラーも効いてるし(いささか効きすぎともいえる…)、Wi-Fiもとんでるし、充電もできるのです。そして、とにかく魅力的なのが値段!バス、2時間の道のりに対して9ユーロ!破格!大丈夫か心配になるくらいでしたが、本当に大丈夫でした(笑)
モンペリエへ帰るのも、このバスを利用しようかなと思います。
写真はエクサンプロヴァンスの大きな噴水です。